コンタクトレンズを外したあとで、メガネをかけるというのは、どうにもわずらわしいもので、外ではさすがにメガネがないと困るだろうなと思うんだけど、家にいるあいだは、メガネをかけずに過ごすことが多い。
裸眼の視界は20センチくらいで、それより遠くの景色はまあ、ほどよくボケて見える。
腕を伸ばすと、爪の先すら、はるかかなたで、指先もぼやけて見えない。
不便は不便だ。こうしてパソコンで文字を打っていても、まったく文字は見えてはいない。ある程度、文章の区切りになって、顔をディスプレイに近づけて、確認する程度だ。
でも困ることは、意外にない。ぼやけていても、だいたいの位置関係はわかるので、階段を踏み外すこともないし、風呂上りにパンツを裏返しではくこともない。
ふだん、見ているようで見ていないんだなと気づくことも多い。人は記憶と想像の中で生きていると言ってもいい。そんなことが実感できるのも、この視界20センチの視力のおかげかもしれない。
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